
有機米デザイン株式会社は、株式会社ナチュラルスタイル、井関農機株式会社と協力し、安価版のアイガモロボの実証試験を開始すると発表した。
アイガモロボは、電力を太陽光発電で得て水田を自律航行し、水田の雑草抑制を自動化するロボットだ。水中を撹拌して泥を巻き上げることで光を遮り、土の物理性に影響を及ぼし、水面下にある雑草の生長を抑制する。
除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることで、除草にかかる労力を削減するほか、有機米や環境負荷の低い農産物の生産・販売を通じて、農業者の所得向上に寄与するものだ。
アイガモロボは2012年の開発開始から、2019年に有機米デザインを設立、東京農工大学との共同研究契約の締結を経ながら開発を進められてきた。現行モデルは、2023年に井関農機より販売を開始している。
現行モデルを活用して農研機構らと行った実証実験では、十分な抑草効果と収量の平均10%増加、機械除草回数の58%減少が確認されたが、アイガモロボに合わせたほ場条件に整えることが必要なことから、条件が合わないほ場では導入に至らないという課題があった。
そこで、安価版アイガモロボでは、ナチュラルスタイルが開発したスマホ通信機能を省いた自動航行システムと、新たに開発したブラシ型パドルを搭載し、適応条件を拡大している。抑草機能は現行モデルと同等の性能を維持しつつ、「ほ場の均平」「水管理」「強風」に関する技術向上を図っている。
具体的には、スマートフォンとの通信機能を省きながら、操作の簡易化と機能向上及び低価格化を目指す。また、水のにごりやトロトロ層での抑草効果に加え、ブラシが水底を掻くことで、発生初期の雑草を浮かせる効果も期待されている。
2024年度には、様々な条件下での課題抽出を目的に、全国で安価版アイガモロボの実証実験を計画している。発売時期・販売価格については現時点ではまだ未定だが、早期の市場投入を目指し、有機米デザインが製品化・量産化・製造、ナチュラルスタイルが要素技術開発を担い、発売に向けた準備を進めるとしている。
有機米デザインの代表取締役である山中大介氏は、「アイガモロボは水田の有機化に向けて重要なアイテムになると考えている。今回、本格実験を開始する新型アイガモロボ(安価版)の早期商品化を実現するべく、井関農機様とナチュラルスタイル様と共に、引き続き開発を進める。」と述べている。
また、ナチュラルスタイルの代表取締役である松田優一氏は、「今回の安価版アイガモロボは無農薬稲作のハードルを下げる魅力的なロボットだ。」とコメントしている。
さらに、井関農機株式会社の取締役常務執行役員である縄田幸夫氏は、「有機農業をはじめとする環境保全型農業の確立には、農業機械だけではなくスマート技術と栽培技術を組み合わせたソリューションを図っていくことが必要。アイガモロボが環境条件の異なる各地の水田で使っていただけるよう、実証・開発を進め水稲有機栽培の拡大に努めていく。」と述べている
出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000027599.html