農業コラム

RPAとは?事例で見るRPAの活用方法3選

RPAとは?事例で見るRPAの活用方法3選
  1. RPAとは
  2. これまで年間120時間かかっていた作業がゼロに
  3. 農家からの受注に関する業務時間を、年間1000時間以上削減
  4. 年間200時間要していたふるさと納税業務の完全自動化を実現

現在日本では、少子高齢化による人材不足がさまざまな業種で課題となっており、デジタル技術によってそれを補おうとするDX(デジタルトランフォーメーション)への取り組みが進んでいます。DXの取り組みではチャットボットやドローン、センシング、クラウドなどさまざまな技術やサービスが活用されていますが、本記事ではデジタルでの情報処理を自動化するRPAというサービスについて、ご紹介をいたします。

1RPAとは

RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、日本語では「ロボットによる業務自動化」という意味になります。ここでいうロボットとは、機械のロボットのことではなく、パソコン上で自動処理を行う「ソフトウェアロボット」のことを指します。パソコンで行う作業を自動化するツールで、エクセルの入力作業や定型的なメールの返信作業など繰り返しが多く、時間を要する単純作業を自動化する事を得意とし、パターン化した業務の自動化によって事務作業の効率化や人的コストの削減につながります。

このツールを利用して、現場ではどのような成果をあげているのかを製造業、農業協同組合、地方自治体という3つの事例でご紹介します。

2これまで年間120時間かかっていた作業がゼロに

一例目は東海地方で特殊鋼プレートの製造販売を行う製造業の事例です。同社の課題は労働人口の減少に対応しながら企業活動をさらに発展させることでしたが、その解決策の一つとしてRPAを導入しました。同社では、仕入部、人事部をはじめとする複数部署にRPAを導入し、目に見える成果を上げています。

仕入部では、従来は毎日30分、年間で120時間を要していた発注単価の算出と単価情報の共有業務をRPAで完全自動化しました。具体的には毎日の発注単価情報を算出してExcelファイルに転記、これを担当営業にメール送信する業務です。

この業務のRPAでの処理手順は次のようになります。まず販売管理システムにアクセスして、当日発注する製品リストをCSV形式でダウンロードします。次に受注システムにアクセスし、顧客からの当日の受注製品リストを元に受注データを検索します。そして、検索した発注部品の単価をExcelファイルへ転記し、各営業担当者にこのExcelファイルを添付したメールを送信します。この一連の作業をRPAで自動化することで、本業務にかかる稼働時間はゼロになったといいます。

一方、人事部では、毎日1回30分、年間で120時間を要していた売上日報の社内周知業務を自動化、RPAによりこちらの稼働時間もゼロになりました。その他の部署でも、経理部では戦略資料の作成業務にかかっていた時間を年間54時間から0.5時間まで削減。情報処理室では年間40時間かかっていた各管理職への受注・見積一覧の共有業務を自動化しています。

同社では複数部署の業務で効果を上げるにつれ、業務フローの見直しや共通化など、効率化・自動化に対する社内意識が高まってきたといいます。RPAの全社的な展開までは、まだ道半ばだそうですが、これをきっかけに、会社全体の働き方改革で利用を促進し、年間1546時間の業務時間削減を目指しています。

3農家からの受注に関する業務時間を、年間1000時間以上削減

続いて中国地方の農業協同組合における導入事例です。農業協同組合は農業経営と農家の生活を支援する組織です。今回紹介する農業協同組合では農家からの肥料や農薬の受注業務にRPAを活用しています。

同組合では、これまで注文書は手書きのFAXで送られてくることがほとんどでした。そのため、注文書に書かれた内容を手作業でデータ化、さらにシステムに入力する作業に膨大な時間を費やしていたのです。この業務の効率化のため、まずはOCR(Optical Character Reader、またはOptical Character Recognitionの略で、画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能)を導入、さらに受注業務全体の自動化を目指しRPAを導入しました。

具体的な作業の流れは次のようになります。まず、農家から送られてくる注文書をスキャンし、そのデータをOCRでテキスト変換。この注文情報データをRPAが購買システムに入力します。この一連の作業を自動化したことにより年間で1,700時間を要していた受注業務が340時間で処理できるようになったといいます。

また、農家の作物収穫データを分析し、農家に収穫量を増やすためのアドバイスを行うのも農業協同組合の重要な仕事です。同組合ではこの分析作業にもRPAを活用しています。あらかじめ用意されたデータ分析フォーマットに気象情報や販売実績といったデータを自動で投入。RPAによってつくられたデータを元に人が分析を行うことで、これまでの年間所要時間1,000時間を、250時 間に短縮しました。

4年間200時間要していたふるさと納税業務の完全自動化を実現

最後に東海地方の市役所における導入事例です。同市役所では2008年からはじまったふるさと納税の人気により、時期によってはその関連業務だけで1日が終わってしまうほど、職員の稼働がひっ迫していたといいます。この状況を改善するためにRPAを導入しました。

RPAによる、ふるさと納税業務の自動化は次の手順で実現しました。まず、ふるさと納税ポータルサイトにアクセスして、新規申込データをダウンロードします。次に、ふるさと納税管理システムへアクセスし、新規申込データをアップロードして納税証明書を発行します。RPAでこの作業を自動化することで、年間200時間を要していたこの業務にかかる稼働はゼロになりました。

RPAの導入で人手では避けられないミスも減り、さらに職員は削減された時間を新しい企画の考案や別の業務に充てることができるようになったといいます。今後はふるさと納税以外の業務でも自動化を進め、業務時間をさらに削減し、全庁的な導入へとつなげていく意向です。

今回紹介した3つの事例では、いずれも自動化による業務時間の大幅な削減を実現しています。RPAはこれら事例を含めた、いわゆるバックオフィス業務の効率化を狙う事が可能です。これからのDX経営を支える「頼りになる相棒」として、RPAの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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